【438】

斜めに読もう。

ちいさい頃から
セイは本を読むのが早かった。


「昨日、図書館で借りた本は
もう読み終えちゃったの?」

セイは
本を読むのが早いわね、と

ママが嬉しそうに
感心するから

「セイはねッ
いっつも本のページを
パッパとめくっててッ

読んでるフリをしている
だけなんだからねッ!」

ある日、私は家族の前で
セイのズルを暴露した。


「セイは“速読”という
斜め読みを
しているんだよ」

「速読?、斜め読み?」

「1行1行
読んでいくんじゃなくて

本の1ページを
右上から左下に向かって
視線を流すようにして
斜めに読むんだよ」

パパがそっと私に
耳打ちをする。


「斜めに読むのかあ」

それなら
私も出来そうだ。


試しに教科書を斜めにして
読んでみるけれど

「……」
「……」
「……」

「おかしいな」

角度が間違っているのかな?





とことんトーコッ☆【438】

≪〜完〜≫



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