【440】

俺の、だから。

セイとふたり
クレープを片手に街歩き。


「セイのチーズのヤツも
美味しそうだよね」

セイのクレープを
見つめていた
私のスキをつくように

セイが
私の持っていたクレープに
かぶりつく。


「あああああッ!」

一番おいしそうだった
ナッツの部分が
そのままそっくり
なくなっていてッ!


「セイのも半分
貰うからッ!」

息巻く私から

「ふん」

セイの長い腕が
クレープを遠ざけた。


「不味いモノを食わされて
美味いモノを与えるなんて
おかしいだろ〜が」

ほくそ笑むセイの唇に

白いクリーム。


「…ついてるよ」

自分の口元を
チョイチョイ、と
大雑把に指で示しながら

教えると

「どこ?、クリーム?
わかんない、取って」

セイが私に
顔を近づけてくる。


「……」

取ってあげるだけ

だからね!


セイの唇についたクリームを

私が親指で拭い取ると

「それ、俺の、だから」

セイが私の親指ごと
クリームを口にした。





とことんトーコッ☆【440】

≪〜完〜≫



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