【442】

貸し出し中です。

レンタルDVD店で

私が借りたいと思っていた
ドラマの第1巻が

貸し出し中ッ。


「う〜〜〜〜〜。

この店にならある、って
聴いたから
わざわざ来たのに〜」


夜も遅いし
お店が駅から遠くて
わかりにくい場所
だから、って

明日にしろ、って
面倒くさがってたセイに

無理を言って
ついてきて貰って

「これはナイ〜…」


落ち込む
私のアタマの上に

「お目当てのDVD
見つかったのかあ?」

セイのアゴが、後ろから
ちょこんと乗せられた。


「……」


「お前、俺の前で

何、溜め息なんか
ついてんだよ」


セイが私の両頬を
小憎らしそうに
左右に引っ張る。


「…だって
せっかく来たのに肝心の…」


「なんだ、あるじゃん」


セイは私の返答を
途中で遮って

目の前の棚から
第2巻のパッケージを
勢いよく引き抜いた。


「それ、2巻だから!

1巻がナイなら
要らないから」


「さ、精算に行くぞ」


私の話を無視して
レジへと向かう。


「え、あの、ちょっと」


第1巻を観ていないのに
第2巻から、なんて

それはナイッ!


「俺の前で
トーコに溜め息をつかせた

今1巻を借りているヤツにも

トーコと同じ悔しさを
味わって貰わなきゃな」


…はい?





とことんトーコッ☆【442】

≪〜完〜≫



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