日曜日。


セイに連れられて

お名前刺繍の入った
プレゼントを
引き取りに行ったのだが。


「…この店って」


泣く子も黙る

高級輸入
ランジェリーショップッ!!!


「…お名前刺繍って
言ってたよね」

「また川に流しても
今度は帰ってくるように」



名前書いてて

返ってきたら
コワイわいッ!!


ってゆ〜よりも


「川になんか
流したりしないからッ!!」

「そ〜お?」


セイは
私の首根っこを掴んで

お店の中に
引きずり込んだ。


「あら、セイちゃん♪」


私達ふたりの姿を見て
歌うように
正面の白い階段から
降りてきたそのヒトは

おっきい胸を
これでもかって強調した
水色とオレンジのドレスを
着ていて。


私の胸をじ〜っと
切なそうに見つめている。


…そこまで私の胸は
可哀想な状態だとでも
言いたいのかッ。


思わず背中を
向けてしまった。



「例の、渡してやってよ」

セイが
ディスプレイされた
カラフルな下着を
手に取りながら

そのヒトに声を掛ける。


「セイッ!

お店の商品に触らないのッ」


「え、何で?」

「…何でって」


そんなの当たり前じゃないッ。


「オトコが
そんなの触ってたら
変態みたいッ」


「使用済みのを被ったり
してるワケでもないのに?」


…ああ言えば、こう言う。


「オトコだって
キレイなモノは好きだ。

好きなモノを愛でて
何が悪い?」


セイがヒョウ柄の
Tバックのランジェリーを

その長い指で
摘んでみせた。


…制服好きの
クボ先輩のコトは

さんざ変態呼ばわり
してたくせにッ。