ぷにぷにッ♂002


1年生に混じっての
新体操部の練習。


自分だけ浮きまくってたら
嫌だなあ、って思ってたけど。


「トーコ先輩ッ♪」


1年生はみんなして
かわいくフレンドリーで。


私が1年生のときよりも

新体操のレベルも
グンと高かった。



そして

何と言っても

新キャプテンが
とってもいいヤツで。


勉強ができなくて
留年したってトコロも

みょ〜に親近感があって

非常に居心地がいい。


「トーコ〜♪」
「ナンノ〜♪」

バカコンビって
シンスケは笑ってるけど。


今ではふたり
大の仲良しだ。


新体操部に

再入部を勧めてくれた
シンスケには

とっても感謝だ。



基礎練も走り込みも
大変だけど

何か楽しいッ。


自然と顔も
ほころんでくる♪


なのにッ。


「おまえ
だらけた顔で練習してたら
舌を噛むぞ」


聴きなれた声に
顔がぴくりと引きつった。


「セイッ、何でここにッ」

「見学」


体育館のドアに
持たれながら

セイがクールに笑ってる…。


ざわわわわッ。

平和な空気が

セイという部外者の
出現によって荒らされる。


「みんなの気が散るから
帰りなさいよッ」

私はセイを
邪険にして

体育館の端に追いやった。


「あ〜、いたいたッ!」

「セイくんだ〜♪」


…どこで聞きつけたのか。

悪友達も
自分の部活をほっぽり出して

新体操部に集結してきて。



気がつくと

体育館には
オブザーバーがいっぱいで。


その視線はみんな
キレイなセイの元へと
注がれていた。