このローアングルの
見事なピンボケっぷりは
幼かった私に対する
当てつけだったのかいッ!!
…執念深いヤツッ。
「いっしょにいて
楽しかった想い出だって
あったでしょうにッ!!」
私のセリフに
セイが大笑いする。
「何で笑うのよ!」
「わかってね〜のなッ」
「何がッ!!」
「トーコと張り合って
ケンカしてた毎日が
どんなに楽しくて
夢中だったか」
「…え」
セイは私を
自分の腕の中に
抱き寄せて
今度は逆さまに写っていた
コスモス畑の画像を
また大写しにした。
「…車が崖から落ちて
目を開けたとき
窓から見えた景色が
ちょうど
こんなカンジだったんだよね」
「……」
夕陽で燃えるように
赤く染まっていた
コスモス畑。
「事故に遭ったっていうのに
母さんが横で
死んでたって言うのに」
キレイだな、って
思ってしまったんだよね、って
セイが私に懺悔する。
「…ふたりで見た
コスモス畑は
もっとキレイだったよッ」
私のセリフに
私の頬に触れていた
セイの横顔が
微かに動いた気がした。
「あの夜のトーコは
最高だったな」
セイが
画像をさらに先送りして
コスモス畑の中で
しゃがみ込んでいる私の写真を
大映しにする。
「恥じらってる顔が
実にいい」
って。
アンタッ。
この写真はああああ!!!!
「おしっこしてるトコ
撮るなんてサイテー!!!!」
セイはやっぱり
どこまでも悪趣味だった…。
ぷにぷにッ♂005
≪〜完〜≫
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