『昨夜、口論しちゃってさ。
嫌われちゃったのかと思って
すんごい焦ったよおおおおお』
…いい歳をしたオジサンが
15歳のオトコノコに
いいように振り回されている。
「口論?」
『写真コンテストのコト
セイくんから
何も聞いてない?』
!!!!!!!!
メッチャクチャ
嫌な予感を感じるのは
私だけでしょうか!!!!!
「写真って、もしかして…」
『あ、聞いてないんなら
いいや』
って、勝手に切ろうと
するんじゃないッッッ!!!
「そういえば
セイが言ってたんですけどッ」
苦肉の策で電話を繋げる。
『セイくんが何てッ!?』
「海老の背ワタって
どこにあるんですか?」
『……』
「……」
『海老の背ワタ?
それって
ナゾかけか何か???』
「さあ…」
さっさと教えんかいッ。
「答えられたら
セイが教えてもいいって
言ってたんですよね〜」
『医者の僕に?
甲殻類の内臓の位置を?』
「…くッ」
そんな風に言われてしまうと
海老が
捌けなくなるじゃないかッ。
『海老の背中に沿って
海藻色の黒っぽい線が
そうだけど』
黒っぽい線???
「そんなの見えないけど…」
『…海老のカラを剥いて
背中に爪楊枝を刺して
ホジホジしてごらん』
「あ!
あったああああ!!!!」
『ソレをそのまま引っ張ったら
するっと背ワタが取れるから』
「あッ!
取れましたああああ♪」
って。
…あ。