『…料理のコトなら
テツオに訊くといいよ。
アイツ、今日休みだから
マンションにいると思うよ』
ケータイの向こうで
先生が苦笑していて。
…バレバレだった。
「セイには
このコトはご内密に…」
『どうしようかなッ』
気がつくと立場が何故か
逆転していて。
『写真、一度でいいから
見てくれるように
トーコちゃんからも
セイくんに頼んでみて
くれるかな?』
「…写真って
この間の、ですよね」
セイのヌード写真。
…でも確か
「あのときセイは
O.Kを出していたのに…」
『自分の写真はいいけれど
いっしょに写ってる
トーコちゃんのは
公表するのを
許してないって』
…って。
「いっしょに写ってる?
私の…?」
あり得ないいいいい!!!!
「何でッ!
どうしてッ!!!????」
『セイくんが
一番いい顔してる写真だから』
だからって!!!
「そんなの
セイじゃなくても
許せませんッ!!」
『あ、いや。
また、今度ゆっくり
3人で話そうか』
私の剣幕に
先生がたじろいだ。
『料理の途中だったんだろ?
テツオにそっちに
向かって貰うよう
電話しておくから』
先生は強引に電話を切る。
「おいいいいいいッ!」
海老の背ワタどころの
騒ぎではないッ。
セイとのにゃんにゃん後の
写真なんて
パパ達や親せきの目にでも
触れたら
大変なコトになるッ。
学校だって退学かもッ!!
「……」
この重〜い現実に
私は
魂を抜かれたかのように
呆然とするしかなくて…。
「そんなコトくらいで
何落ち込んでるのよッ♪」
料理の助っ人に来てくれた
テツオさんに
慰められる…。
「近親相姦だって
恥じるコトないじゃないッ。
許されない愛だからこそ
燃えるのよッ♪」
「……」
…そうだった。
テツオさんは
セイと私の血が
繋がってないって
まだ知らないんだった…。
はあああああああ。