私の代わりに
手慣れた様子で
料理を仕上げてくれている
フリルいっぱいの
エプロン姿のテツオさんを
横目で見ながら
私はテーブルの上に
顔を突っ伏しながら
また溜息をついてしまう。
「ただいま〜」
「おかえりなさ〜い♪」
私の家族を迎える
テツオさんの明るい声。
…って。
ヤバいッ!!!!
玄関に駆けつけたけど
もう遅かった…。
「…この方は?」
知らないオンナが
自分の留守中に
家に上がり込んでいて
エプロンつけて
「おかえりなさい♪」じゃ
ママの顔が
引きつるのも当然で…。
「テツオさん」
ここはニューハーフだと
正直に言った方がいいと
思ったのに。
「テツオって言っても
名前じゃなく
名字だそうだよ」
ヒラオさん、マツオさん
ニシオさんに
テツオさん…。
パパがママに説明してて。
「…アナタの
お知り合いなの?」
パパに質問する
ママの声のトーンが
刺々しいッ。
「パパさんとは
この前、ねずみ〜らんどで
ご一緒させて戴いてッ♪」
なんて
テツオさんまで
余計なコトを
言うんじゃないッ!!!
「……」
「……」
「……?」
テツオさんが
ニューハーフだって
告白しても地獄。
しなくても地獄…。
「……」
ママのカラダを支えていた
セイの目が
ひたすら
私を責めていた…。
ぷにぷにッ♂006
≪〜完〜≫
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