「ダイエットなんか
もうやめましたからッ」
部活でいかに毎日
エネルギーを消費してるかを
力説してやる。
「…そこまで言うなら
好きなだけ食え!」
セイはケーキを半分にして
私のお皿に盛り上げた。
「汚い盛り方しないでよッ」
「どうせすぐ
腹の中に納まるんだろう?」
…ムッカつくううううッ。
残りの半分を3分割して
これ見よがしに
セイは美しくサーブする。
「私のだけ
エサみたいじゃないッ」
「みたいなもんだろ?」
くぬうううううううッ。
「お皿がちいさいんだから
仕方ないじゃない」
ママがセイを庇った。
夜になって
セイが私の部屋を
尋ねてきて。
「おまえ、本当に
大丈夫なのか?」
何故か真顔で心配している。
「何がッ!?」
アタマが弱いのは
今日に始まったコトじゃ
ないですからッ!!
セイは本当に
私の怒りのツボを
よく知っているッ。
「ケーキを食べた後
内緒でで
吐いたんじゃないのか?」
「そんな勿体ないコト
するワケないでしょ!!」
「…マジ?」
「牛じゃないんだから
反すうして
もう一度食べ直すとか
できないからッ」
「やっぱりおまえ
おバカのトーコだ!」
セイがお腹をかかえて
笑い出して。
「牛じゃなくて
ホント、ニワトリ並みの
記憶力だな」
笑いすぎて
ナミダまで滲ましてるッ。
「吐いたときの言い訳に
しやすいようにって
わざとケーキを
こんもりと
盛ってやったのにッ」
「意味わかんないッ!!」
私はセイに
クッションを投げつけた。
「だってさ!
毒入りケーキを紅茶で食べて
死にかけたの
もう忘れてるなんてさッ!」
あ。
すっかり忘れてたああああ!