しっかし
セイの昔話って
「私がセイを泣かすとか
いっつもそんな話
ばっかりでさッ」
「…だから今は
俺がトーコを泣かせてる」
セイの手が
パジャマの中の
私の下半身に侵入してくる。
「やんッ」
「もっといい声で泣けよ」
「……」
意地でも
泣いてやるもんかッ。
コトバとカラダは
ウラハラで。
私は
エスカレートしていく
セイの行為に
カラダを紅潮させていた。
「トーコはあの頃と
ちっとも変わらない」
褒めてくれているのか
けなされているのか。
その手が
まっ平らな私の胸を
残念そうに撫でているのが
引っ掛かる。
「さっきから
胸ばっかり触ってるッ!!」
「下の方も触って欲しいって
言えば?」
「触んなくていいッ!!」
私は背中をセイに
取られていて
逃げようにも
逃げられなくて
ベッドの中
シーツを
足でかき回していた。