私は
水色のタンクトップに
紫のフリフリ
ミニスカートをチョイスして
オレンジ色のパーカーを
羽織る。
ヒザ上のロングソックスは
カラフルな縞模様だ。
真っ赤なハンチングを
被って
いざ出陣!
ブラはもちろん
透けないベージュ!!
「…それが
デートに着ていく洋服か?」
セイが私の派手な出で立ちを
冷やかな横目で
上から下まで非難する。
「カンフー映画でしょ?
B級のッ!!」
「……」
セイは黙って
私の前を歩いて行った。
今日のセイは
いつになくアダルトな
服装で。
カラスみたいに
全身黒づくめ。
ボルサリーノみたいな
黒い帽子を
目深に被ってて。
先の尖った黒い靴には
赤とオレンジのビーズが
派手にあしらわれている。
薄手のロングコートの裾には
銀の飾りがついていて。
黒づくめのハズなのに
やったら
派手に見えてしまう。
黄金が
黒い布から
覗いているかのように
後姿だけでも
充分に
迫力があった。
…デートだから
気を遣って
オトナっぽく
オシャレしてくれたのかな。
だけど。
そんなに
キメられてしまうと
並んで歩くのも
躊躇われる。
…差がつきすぎだよ。
「何やってるんだ。
早く歩けよ!」
そんな私の躊躇いなんて
キレイなセイには
わからないだろうな…。
「……」
上目使いで
セイを
見上げるようにして
見ている私に
振り向いた
セイが面倒臭そうに
「ほら!」
長い腕を私に向って
スライドさせてきて
…手を繋いだ。