ぷにぷにッ♂016


「どうしてシンスケが
こんなトコロに…」


なんて

愚問だった。


『うおおッ、おんッ、あう』

スピーカーから流れてくる
オトコ達の嬌声。


…シンスケには

やはり
そんな趣味があったんだ。


最近、この手のヒト達と
交流があるとはいえ

幼なじみのマッチョマンの
シンスケが、って話になると

さすがに
ちょっとヒイテしまう…。


「ズボンちゃんと穿けよ。

立てるか?」」


「あ、うん」

私は
ポケットに手を突っ込んで

ショートパンツを
引き上げた。


シンスケは
私を通路に避難させて


「おいッ、おまえ!」


知らんフリしてたセイの
胸ぐらを掴む。


その勢いで
セイの被っていた帽子が
飛んで

「セイッ!?」


シンスケが思わず
セイの胸から手を離した。


「…ど〜も」

セイがクールな眼差しで

シンスケを横目で
挑発する。


「ごめッ!

まさかセイだなんて
思わなくってさ」


セイのオーラに
押されるように

シンスケが通路まで
後退してきた。


「トーコらしきオンナノコが

この映画館に
腕を引っ張られるようにして
無理矢理連れ込まれてたから

俺、てっきり…」


私が何かトラブルに
遇っているんじゃないかって

追いかけてきて
くれたのだという。


「…シンスケ〜〜〜」


その趣味を

疑ったりして
気持ち悪がったりして

ホント
ごめんなさい〜〜〜!!!