「俺、おまえの為なら
どんなコトだってする。

どんなコトだって
出来るから…」


「…それって

さっきシンスケが
セイにむかって
言ってたセリフ、だよね?」


「……」

私の要らぬツッコミに
セイの眉間にシワが寄る。


「カラダを張って
好きなオンナを守るのは
オトコの使命なんだよッ」


セイが不服そうに
頬杖をついた。


「そういうの、嬉しいけど…」

セイは
カラダの張り方の意味を
間違えていると思うッ。



「嬉しいけど、何ッ!?」

セイの語尾が
ヒステリックになってくる。


口を尖がらせて

長い指先で
ストローをグチャグチャに
甚振っているその姿は

ちいさい子どもみたいで。


「お好み焼き
食べたくなってきた」


なんて

ついつい
妥協案を探ってしまうのは

私の悪いクセだ。


「…誕生日のディナーだぞ」


「伊勢海老が
どが〜んと入ってて
金粉がかかっている

超豪華なヤツッ」


「それなら任せろ」


セイがケータイを手に
どこかの店に予約を入れる。


機嫌が直ったセイが

自分の被っていた帽子と
私の帽子を取り換えて


「こうすると
ペアルックに
見えなくもないだろう?」


ガラスに映り出された
ふたりの姿に
満足そうにした。


「……」


ふたりいっしょに
夕陽を浴びて

同じオレンジ色に
染まってる。


「なかなか
お似合いのふたり、だなッ」


そう思わない?、って

笑いながら

セイが
私の手を引いて

歩き出した。


…ぴったりと
合わさったセイの掌。


見た目は
異次元なふたりでも

その手は
貝合わせのように

隙間なくピッタリと
くっついていて。


そんな
ちいさな発見に

セイとの運命を感じて

嬉しくなる。





ぷにぷにッ♂017

≪〜完〜≫


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