ぷにぷにッ♂026


「シンスケくんて…?」

私は恐る恐る
ナンノに聞き返した。


「…やっぱり
無理してたんじゃないのかな」

「何が…ッ?」


やっぱりナンノは

シンスケが
そういう趣味の持ち主だって

セイのコトを
愛してるんだって

気づいてしまったんだろうか。


…ハッキリさせるのは
恐いような気もするけれど。


それでも

シンスケは私のコトが
好きなのではと
疑ってかかってきたナンノの

嫉妬の対象から外される
解放感と言ったらなかった。


「シンスケくんって…」

「うん、うんッ♪」


「もしかして
お魚嫌いなんじゃないのかな」


え。


「オトコノコって、ほら

オンナノコには
弱味を見せられないって

虚勢を張っちゃうトコ
あるじゃない?」


「……」

私は思わず脱力する。


「…シンスケは
ちいさい頃カメを
飼っていたし

魚料理も目玉まで
残さずキレイに食べるよ」


「じゃ、タコだッ!
タコの吸盤が
気持ち悪いんだッ」


「…シンスケ
連れてくるから!」


ナンノはやっぱり
ナンノだった…。


思い込みが
激しいっていうか。


一度そうだと思ったら

その考えから
抜け出せなくなってしまう。


「シンスケはトーコが好き」


私がこの状況から
解放されるのは

いつになるコトやら…。


私は入口のドアから
顔を出して

シンスケの名を呼んだ。


なのに

「セイのコトは
心配しなくていいから!」


ふたりでゆっくり
観て回って来いよ、って

シンスケってば
うれしそ〜で。


…ハニカむ笑顔が
かなりキショイぞッ。


シンスケをこちらに
呼び寄せるには

方法はただひとつ。