ぷにぷにッ♂028


イルカやアシカのショーを
観て

ペンギンの大移動の
後をつけ回していたら

あっという間に
夕方になっていた。


自分達のお土産に
何か買って帰ろうと

ナンノとふたり盛り上がる。


「あ、もしかして
また鼻血出しちゃったんだ?」


お土産物売り場のスタッフに

シンスケは
突っ込まれっ放しで。


「…シンスケくんて
体操やってるときは

鼻血なんか
出したコトないのにね」


あはははは。

ナンノちゃん

アナタの素朴な疑問が
恐いッ。


「バッジなんかどお?」

私はナンノの疑問を
スルーして

ピンバッチを
お土産候補に提示した。


「いつも持ち歩ける方が
いいな」

ナンノは
ピンバッジの隣りにあった
ケータイストラップに
目を止める。


「これなんか、どお?」


それは
ネコと魚のモチーフで

ひとつは
ネコが魚をくわえてる
デザインで

もうひとつは
魚がネコのしっぽに
噛みついている
デザインになっていて。


どちらも
ヤバいくらい

私の乙女なツボを
刺激してきた。


「紺色と赤の2色展開だし」

ペアで持つには
ちょうどいい。


「シンスケくんは
どっちがいい?」

「あ、いや。俺はいいよ」


ナンノの望みを
実にアッサリと
シンスケは拒絶してッ。


…こういうときに
「NO」って言えちゃうのは
O型だって

何かの本に
書いてあった。


「俺、ケータイに
ジャラジャラ何かつけるのって
苦手なんだよね」


「……」
「……」

空気を読めない男子は
嫌われるッ。


「俺も
そんな乙女なデザインの
持ちたくないからな」


コトもあろうか

空気を読めない
美少年が
さらに1名追加され。