「テキーラなんて
アルコール度数が
べらぼうに高い酒

セイは将来
大酒飲みになるかもな」


マスターが笑っててッ。


「セイッ!
お酒はダメだからねッ!!」

私がグラスを
慌てて掌で塞ぐと


「トーコも
ショットガン
体験してみる?」


セイは
ニヤリと口の端を上げて


ダンツ!


グラスを掴んでいた
私の手首を掴んで


ダンッ!


グラスの底を
テーブルに叩きつけた。


「ひょえええええええッ」


手の中で

グラスの中の炭酸が
大暴れして

思わずグラスから
手を離した。


「ああ、勿体ないッ」

グラスからどんどん
溢れ出すその透明な液体に

セイが口をつけようとして


「ダメッ!!」


私はセイの後頭部を
思いっきり殴りつける!


ドゴッン。


「……」

テーブルに
額を打ちつけられて

鈍い音がした。


「…セイちゃん、大丈夫?」


マスターが
セイの生存を確認する。


「OH!
セイ、ダイジョッブ、デスカ」

ぷりんぷりんの
外国人のおね〜さん達が

セイに寄ってきて

「カワイソ、カワイソ、ね」

カタコトの日本語が
怪しく行き交って。


「I am o.k…」

セイが英語で答えていた。


無表情のセイを
なだめるように

ぷりんちゃん達は
セイのヒザに
座るようにして

セイのアタマを
抱きかかえてる。


「……」

プリンちゃんの
胸元から覗く
セイの冷たい視線が

私に何か言いたげにして


…超恐いんですけれどッ。