「私と似たタイプ?」
…オトコが好きかも
なんて
そんなコト
口が裂けても言えないしッ。
「体操に夢中で
オンナノコなんかには
目もくれなかったよ」
大ウソに
背中から冷や汗が
滴り落ちてくるッ。
「だから
デートに誘っても
忙しいからって
いっつも
断られちゃうのかな」
えッ。
「シンスケってば
そんな贅沢なマネをッ!?」
「…高2の秋だから
受験勉強も忙しいみたい」
お勉強の出来ないナンノが
お勉強の出来ない私を見て
溜息をついた。
「…それにしたって」
デートの1回くらい…。
高3のクボ先輩でさえ
デートには
ちゃんと連れていって
くれてたしッ。
…シンスケは
セイにナンノを
押しつけられたモノの
やっぱり
交際に気が乗らないのかな。
「……」
「……」
だとしたら
これは最悪の展開だよ。
セイとしては
つき合ってみたら
思っていてようなヒトじゃ
なかったって
ナンノの方が
シンスケに愛想をつかして
離れてくれると
思っていたんだろうけれど。
今回ばっかりは
思惑が大ハズレだよッ。
だけど
そうは言っても
「シンスケは進学コースだし
勉強が忙しいのは
本当だと思うよ」
この恋の軌道を
修正できれば
それに越したコトはない。
「そうなのよね。
シンスケくん
ご両親が弁護士だし」
「…そうなのッ?」