ママが冷蔵庫から
コーラのペットボトルを
取り出して
「ママはセイを
甘やかしすぎッ!!」
私はママから
ペットボトルを取り上げる。
「…要はシンスケさんと
ナンノちゃんとやらを
デートさせればいいんだろ?」
セイが冷たい目で
私を威嚇した。
「楽しいデートじゃなきゃ
意味はないんだからねッ」
「デートって
普通は
楽しいモノじゃないの?」
ママがふたりの話に
割り込んでくる。
「…フツーは、ね」
ああ
また溜息が止まらない。
「シンスケくんって
トーコの前では
いつも楽しそうにしてるのに
凄く意外だわ」
「シンスケさんは
トーコのコト
異性として
見てないからね」
セイが私から
コーラのペットボトルを
奪いに来た。
…アンタのコトは
異性として
見てるみたいだけどねッ。
「だったら
アナタ達が
シンスケくん達のデートに
つき合ってあげれば
いいんじゃない?」
「!?」
ママの思わぬ提案に
セイとふたり
目が点になる。
「……」
「……」
セイとシンスケ
そしてナンノ。
このビミョ〜な三角カンケイ。
「ダブルデートなんて…」
想像しただけでも
恐ろしすぎる。
「何なら
ママとパパも
いっしょしてもいいわよ♪
トリプルデートなんて
楽しそうじゃない?」
…ママ。
それじゃ
デートというより
家族連れ…。