ぷにぷにッ♂021
「…ちょっと
相談があるんだけれど」
昼休み
悪友達と
お弁当を食べていた私に
くら〜い調子で
シンスケが話しかけてきた。
「相談ッ!?」
好奇心をむき出しにして
みんなが私の顔を見る。
「ちょ、ちょっと
シンスケッ」
いろんな意味で
誤解されるような
行動は慎んで欲しいッ。
ナンノの耳にでも
変なウワサが入ったらと
思うと
恐ろしすぎだった。
「あ〜、セイのコトかなッ」
私はみんなに
聴こえるように
わざと「セイ」というコトバを
強調して
シンスケと私は
特別なカンケイでは
ありませんって
アピールしながら
席を立つ。
「セイくんが
どうかしたのッ」
「あ、シンスケになんか
お願いしてたみたいで」
「え〜〜〜!!!
シンスケ氏に
何のお願いッ!?」
別の意味での好奇心を
煽ってしまった…。
「トーコ、あのさあ…」
私の悪友達の
この騒ぎなんて
シンスケの目にも耳にも
入ってはいないのか
思いつめた表情で
私に迫ってくる。
「あ、外で話そうかッ」
私は食べかけのお弁当を
持ちながら
シンスケを先導して
教室を出た。
…ずいぶん思い詰めている
みたいだけれど。
セイからデートのコトで
プレッシャーでも
掛けられたんだろうか。
私は
中庭の噴水の傍のベンチに
腰掛ける。
ここは2年生と3年生の
校舎の間にあって
滅多なコトでは
1年生は足を踏み入れては
こない場所で。
けっこうヒトも多いから
私達ふたりを
気にかけるヒトも
いないハズだ。