「セイくんって
私達より年下だよね?」
ナンノが私に
そっと耳打ちしてきた。
「ママがクスリの副作用で
カラダ壊したから
気になるみたい」
一応、フォローして
あげたけど。
…セイに限って
シンスケのカラダの
心配なんかしているとは
とてもじゃないけど
思えないッ。
セイが意識しているのは
常に私で。
やってるコトは
みんな
私への自己主張であり
アピールなんだって
よおおおおっく
思い知らされたから。
「水族館のお土産売り場
先に覗いていこうぜ」
セイが私達に声を掛けて
ひとりでスタスタと
歩いていく。
「あ、待てよ、セイ。
はぐれるぞ」
セイの後を
慌てて追いかけている
シンスケの後ろ姿…。
「シンスケくんって
セイくんと仲いいんだね…」
ナンノがぽつん、と
呟いた。
「いやッ、あのッ!
セイは放っておくと
あの通りフラフラどっか
行っちゃうからッ!!」
ちゃんと見てて
やらなけりゃ、って
「シンスケの責任感が
刺激されてちゃうみたいッ」
「……」
…言い訳に
やっぱり無理があったかッ。
ナンノは黙って
歩き出した。
「ほらッ、セイって
ああ見えて
中身は小学生並みだからッ」
ナンノに並び歩きながら
私は必死に
言い訳を続けてる。
なのに
シンスケってば
私の心配をよそに
セイの横にぴったりと
寄り添うように
歩幅まで
セイに合わせていたりして。
…見てるこっちが
恥ずかしくなってくるッ。