セイの
本当の父親方の
おばあさま。


亡くなったって
連絡を貰ったのは
今日の明け方のコトで。


爆睡していたセイを
無理矢理起こして

今朝は本当に
大変だった。


ママと私がふたりがかりで
着替えさせて

パパが荷物を
作ってくれたんだけど。


「あれもイヤ。これもダメ」


セイぼっちゃまのワガママで
一から荷物の詰め直し。


整髪料やらドライヤー。
洗顔フォームに
シャンプー、リンス。

基礎化粧品まで
詰め込んでいるのを見て


パパが
複雑そうな顔をして。


「トーコは
こういうの
持ってかないのか?」

「……」

オンナノコなのに

荷物が
少なすぎじゃないのかって

私のオンナノコとしての
タシナミを問う。


…セイの荷物が
オトコのクセに
多すぎるんですッ。


朝から
我が家はテンヤワンヤで。


家を出る前に
すでに
かなりの精神的消耗を
したと思うッ。


「セイくんと
トーコさんですね?」


喪服を着たオジサンに
声を掛けられた。