「…セイ?」
セイの冷たい
血の気のないカラダ。
「気分悪いの?」
私はそっと
セイに耳打ちした。
それを
キッカケに
セイが私のヒザの上に
顔を埋めるようにして
倒れ込んでくる。
「……」
だけど
今日のセイは
私にイタズラするコトもなく
ただおとなしく
私に身を委ねているだけで…。
「朝、早くに
起こされたから
眠いだけなのかな?」
「……」
私の問いかけにも
反応がなかった。
…困ったな。
初めて会うであろう
血の繋がりのある親族達。
セイでも
緊張するコトなんて
あるのだろうか。
それとも
幼い自分を
可愛がってくれていたという
おばあさまの死が
少なからず
やっぱり
ショックだったのか…。
「……」
どこまでも続く
同じ景色。
未だ信号のひとつもなく
こんなド田舎
見たコトがない。
「あのッ!
お家に着くまで
まだまだかかりそうですか?」
私は堪らず
弁護士さんに声を掛けた。
「いえ。
ここはもう領地の中ですよ。
さっきのはいわゆる
プライベートビーチで」
は?
「この島の南半分は
セイくんのおばあさまの
持ちモノでしたから」
「……」
もしかして
この島って
事実上の
無人島なんじゃ
ないでしょうかッ。
土地持ちと言えば
聞こえはいいけど
…こんな離島相続したって
全然嬉しくないかもッ。
売ろうとしても
買い手が
つかないに決まってる。