嫉妬深いのも
たいがいにして

TPOというモノを
少しは考えて欲しい。


「自分で脱ぐからッ。

大事な着物に
乱暴しないでッ」


「トーコのとって
大事なモノは
何なんだよッ!!」


セイが
私を着物ごと
乱暴に引っくり返して

仰向けにした。


「…セイ…ッ、うぐッ」


セイの唇が乱暴に
私の唇を塞ぐ。


ねっとりと
からみついてくる
セイの舌。


「う…」

顔を
逸らしても
逸らしても


セイの舌から

セイの愛情確認から

逃げようもなく…。


遠くから
お経を唱える声が

微かに聴こえてきた。


「セイッ
式が始まっちゃてる!」


私は両手で
セイのアゴを押し返し

必死でセイに訴える。



「…いいんだよ。

あんな茶番劇なんか
放っておけば…!」


「ここまで来て
何、言ってるのよッ。

おばあさまに
ちゃんと最期のお別れ
させて貰わなくっちゃ!」



「…ちゃんと
お別れ?」


私のコトバに
セイが強く反応した。


「そうよ。
ちゃんと顔を見て
コトバをかけてあげたら

おばあさまだって…!」


「ばあさまの遺体も
ないのに?」


え。