「あのご立派な祭壇の中には
遺骨はおろか
何も入ってないんだってさ」
「ウソッ!?」
「遺体は
本人の生前からの意志とかで
大学病院に献体されて
今頃
ホルマリン漬けに
なってるかもね」
「……」
セイの思わぬ独白に
私の
抵抗も止まってしまう。
どうして?
何で?
そんな大事なコトを
こんな間際になってから
知らされるなんて…!
セイが動揺するのも
当然で。
誰が何の目的で
私達をこんなトコロに
呼び寄せたのか。
見えない真意。
だけど
そこには
ハッキリとした悪意が
感じ取れて
背中が寒くなる。
「俺は…」
「セイ。
もう何も
言わなくていいよ…!!」
何かを求めるように
私のカラダを
弄ってくるセイの背中を
私はしっかりと
抱きとめた。
冬の森、眠らないキミ
主のいない葬列編
≪〜完〜≫
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