「あッあ」

息を吐き出すのと
同時に

そこから垂れ下がっていた
モノを

掴んでしまう。


雪崩落ちてくるソレが
座布団だって


暗闇の中でも
すぐにわかった。


冷たい空気に晒されていた
無防備な太股を

セイの唇で啄ばまれると


私は熱を帯びた耳元が
ちぎれそうな快感に

身をくねらせる。


「やだ…ッ、もお」

座布団で
その恥ずかしい表情を
私が隠そうとしたのを見て


「全部ハダカにしてから

喪服を素肌の上から
俺が着せ直してやるよ」


セイのサディスト嗜好に
火をつけた。


いやいや、と
首を振って意思を示しても


セイの行為は
止まらない。


セイが自分の肩の上に
私の両ヒザを乗せて

仰向けになっている私の上に
自分の体重を
そっと掛けてきて


私は握りコブシを
自分の口に当てながら

生理的なナミダで
瞳を潤ませながら

声を出すのを必死に堪えた。


お経を唱える声が
何重にも重なって

まるで
私達を責め立てるように
迫ってくる。


セイに口腔を
自由にされながら

私の腰から
下着を引き抜こうとする
セイの手の気配に

気を失いそうになった。


「お坊さま達にお出しする
お茶の用意を」


バタバタと慌ただしく
廊下を早歩きする
スリッパの音に

私はハッとし

身を固くする。


「座布団が足りないわ」

持ってきて、と
遠くで女性の声がして


パタパタパタ。

足音がこちらに
また近づいてきた。


…座布団って

「これッ!?」