私が背中に
こんなにも冷や汗を
かいているというのに

セイってば

自分にはカンケイないって
言わんばかりに

私のおへそを
まさぐっていて。


「……」

見つかったら見つかったで
おもしろいじゃん、って

その態度が
けしからんッ。


こんなトコロで
こんな姿でいるトコロを

ここのヒトに
見つかってしまったら

笑われて
恥をかかされるのは

私とセイじゃなくて


私達のパパとママだ。


どんな育て方を
したんだって

きっと責められるに
決まってる。


私は
この帯を引っ張るか否か

まるで
人生の大事な選択でも
するかのように

私の帯を握る手には
自然と汗がにじみ出ていた。


まだ
結論は出ていない。


なのに

握っていた帯が

私の手からザザザと
逃げようとして

思わず帯の動きを
止めてしまった。


あ…ッ!!!!!


それは

もちろん
帯が勝手に動いたワケでは
なくて

誰かが
押し入れの外で
帯を引っ張っていたんだって

気づいても
もう遅かった。


「……」

私は次の瞬間に
起こるであろうコトを
想像して

背筋が凍る。