「何ですか?」
セイが傍にいたときは
そこまで冷ややかな目は
してなかったぞおおおおお。
「カノンくんって
セイのコト
いつから知ってたの?」
取りあえず
セイの話題で
機嫌を窺ってみる。
「従兄弟なんですから
物心ついた頃には
知ってましたよ」
「……」
当たり前のコトを訊くなと
言わんばかりの
その目がコワイッ。
セイとは一見
どこも似ていないけど
そのキツイ目つきだけは
セイといい
カノンくんといい
カノンくんのお母さんといい
非常に濃い血の繋がりを
感じるぞッ。
「学校が同じなのも
偶然?」
「……」
「…なワケないよねッ」
あはははは。
冷たい空気に
私のカラ笑いが切なく響く…。
「ウチの母は
負けず嫌いですからね。
自分の息子が
兄夫婦の忘れ形見に
負けるのが死ぬほど
悔しいと思うヒトだから」
…死ぬほど悔しいって。
大袈裟なッ。
「国内では
ウチの学校よりも
優秀な学校はないし。
母としては
しぶしぶ同じ学校に
通わせるコトに
したんですけどね」
カノンくんが
祭壇の前に進むよう
私を促した。
「……」