点けていたハズの
黄色い電気が

消えていて。


真っ暗な部屋。


ガタガタガタッ!

揺れる窓ガラスの音に
反射的に振り返ると


窓の外
何かが揺れ動く気配がして


ひええええええええッ。


声も出せず
失神しそうになった。


「ヒトッ、ヒトッ

人影があああああああッ」


私は恐怖のあまり

のけぞったまま

壁際に背中が当たるまで
後退して

布団を被るッ。


「やだやだ、何、これッ」


これだから
古い家は嫌なんだあああ。


こういうときは
どうしたら

幽霊が
退散してくれるんだろうッ。


お経なんて
唱えられないし

お守りだって
学業成就のヤツしか
持ってないッ。


「悪霊退散!
悪霊退散!」

アニメじゃあるまいし
こんなモノで退散してくれる
ハズがないのは
わかってますッ!


こうなったら
朝まで意識を失って

やり過ごすしか
ないんでしょうかああああ。


「憎たらしいセイがイジメた
ヒツジが1匹

ムカつくセイが甚振った
ヒツジが2匹…」


神様、お願いですううう。

一刻も早く
私を眠らせてやって
くださいいいいいッ!!!


「サイテーのセイが…」

!!!!!!!!


…”何か”が
私の足首を掴んでる。


「ウソ、だよね?」


気のせい、だよね。


生温かいザラツキが
じっとりと

私の足首を
這っていて…。


「ぎょわあああああえッ」