セイが
壁をスライドさせる。
もあッ。
「けほッ」
線香の煙を
不用意に吸い込んで
目が痛いッ。
「…なかなか
楽しませてくれそうな
場所じゃないの」
セイが隠し扉の向こう
急勾配な階段を
嬉々として降りていく。
「セイッ
ちょっと
勝手にそんなトコ!」
セイの姿を飲み込んでいく
暗闇の中を覗き込んで
私はまた
気を失いそうになった。
「勘弁してよおおお…」
階段には
数えきれない程の御札が
貼り詰めてあって。
押し入れのフスマの裏に
貼ってあったお札が
カノンママの
イタズラなんかじゃ
ないんだって
痛感させられる。
「セイッ、待って!
ひとりにしないでッ」
私は恐怖に
気がふれそうになっていた。
でも
本当に恐ろしいのは
言い伝えでも
お札でもなく
この家に隠された
過去の忌まわしい出来事
なんだって
思い知るコトになろうとは…。
冬の森、眠らないキミ
恐ろしい部屋編
≪〜完〜≫
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