「学習机の引き出しから」
セイッ。
アンタは
未来から来たトラえもんかッ。
「ってゆ〜のは冗談だけど」
って
押し入れの中を
指さした。
「まさかッ。
この部屋も隠し通路が!?」
「ご名答」
ああッ、もおッ!!
「紛らわしい登場の仕方
しないでよねッ」
私はセイの指さした
押し入れに近づいていく。
「おっと。
トーコは
見ない方がいいと思うよ」
セイの長い腕が
押入れを覗き込もうとする
私の行動を阻んだ。
「…何か隠してるんだッ」
「トーコは
妙なトコ、勘が働くのな。
制服の影を幽霊だと
何の疑いもなく
思い込んだりしてるのにさ」
洗濯物?
セイがアゴを突きあげて
示したそれは
部屋の中
ハンガーにかかって
吊るされていた
私の制服で。
「もう乾いてる…」
意地悪して
ギリギリまで
返して貰えないかと
覚悟してただけに
ちょっとビックリだ。
「あれ?」
だけど。
私がカトーさんの部屋から
戻ったときに
こんなモノ
窓にかかってたかな…?