…暗い部屋で
あれだけ存在感を
見せていたこの制服。


「さすがだな。
キレイにアイロンが
かかってて」


普段より
上等な制服に見える、って

セイが制服のブラウスの
胸の部分を摘んでみせた。


「…セイ、それは
何なのかな?」


よく見ると
セイの手首に
巻きつけてあるそれは…。


「トーコのパンツ」


「カノンくんのお母さんが
持っていったハズのパンツを

どうしてアンタが
持っている!!!!!」


「この乳首隠しと
いっしょに

制服の横に掛かってた」


って

「アンタは
下着ドロボーかッ」


私はセイから
ブラジャーとパンツを
取り上げる。


「あのオバサンも

これ見よがしに
可哀想な下着を
ハンガーに掛けていくなんてさ」


イヤミ全開だな、って

セイが
押し入れに背中を向けたまま
さりげなくフスマを閉めた。


「…ちょい待ったッ」


「何かな?」

セイが作り笑顔で
私に微笑む。


「押し入れの検証が
まだ済んでないッ」


「…マジ、見るの?」


セイの表情が少し歪んだ。


「見るに
決まってるでしょッ!」


私は
セイを押しのけて
勢いよく押入れを開ける。