「…カノンなら
カトーの部屋で

天国を見たまま
気を失ってるよ」

って。


セイってば

妖しい目をして笑っててッ。


天国って何だッ。

天国ってッ。


想像するのも
オゾマシイッ。


「俺がちょっと
手でいじってやったら

あっという間に昇天」


おもしろいから
5回くらいイカせてやったら

気絶しちゃってさ、って。


自慢げにしててッ。


「まだヤツのニオイが
手に残ってるかも」


いやあああああ。


「そんな手を私に
近づけるでないッ!!!」


狭い押し入れの中

セイの腕から逃れようと
私は必死であがいて。


ガタンッ!


勢い余って

押し入れのフスマが
外れて倒れた!!


「あちゃ〜ッ」


破れてないよね、って

倒れたフスマを
押し入れの中から
覗き込んで


「え」


私はコトバを
失った。


「あ〜あ。

バレちゃったか」


押し入れの中で
恐怖に震える私を

セイが抱き寄せる。


「…だから言ったのに」


セイが
私の目を手で塞いだけれど。


もう遅い。