当事者の意見編


「もおおおおおッ!
キレたッ!!」

あまりにしつこい
セイの私への報復に

私は
セイに押さえつけられていた
腕を両手で掴んで

窓の外に向って
背負い投げもどきを
試みたッ!


「うおッ!?」

セイが
窓の桟に手をついて

私の投げ技を
慌てて阻止する。


そのスキに
私はセイの拘束から
するりと逃げ出して


「トおおおおコッッ!!!」

「べ〜ッだッ!」

私は振り返りざまに
セイの首元に
高々と回し蹴りを
お見舞いしてやったッ!


セイはヒザから
崩れ落ちるようにして

蹴られたトコロを
押さえながら

畳の上に跪く。


「……」


「…大丈夫?」

だよね?


「…なワケ」

「えッ?」

「ないだろおおおおおッ」


セイは
私の両ヒザを抱え込んで

私を畳の上に横倒しにした。


「セイッ!
ズルイッ!!!」

上に跨ってこようとした
セイの腹筋に
私は蹴りを入れて応戦する。


セイが私の顔を
両手で捏ね繰り回して

「ブス、ブス、ブスッ!
ぶっさいく〜ッ!」

私の上で
心理的抑圧を与えてきたッ。


「ぶぬぬぬぬううううう」


セイの顔にも
同じ目に遭わせようと
腕を伸ばしても

セイの顔には
指先が触れるのがやっとで。


ちょおおおおお悔しいッッ!


セイの背中に
ヒザで
蹴りを入れようとしても

骨盤の上に
座られていては
どうにもならない。


「ぬおおおおおおおッッ」


こうなったら
奥の手しかないッ!