…何だか
よくわからないけど
助かったッ。
この親にして
この子あり。
まったく
ワケのわからない親子だ。
…だけど。
あのお母さんも
私とセイが
遺産目当てでここに
来てると思っているんだよね。
よく思われているワケなんか
なくて…。
「セイでしょ。
あのオンナに
ホンット
嫌味なくらい生き写し」
セイに対しては
表情だけでなく
コトバまで
辛辣で棘があった。
「…少しやさしくして
貰えたからって
気を許しちゃいけないよね」
「まあ、わかってるんなら
何も言わないけれどさ」
って。
「セイッ!
アンタ、いつの間にッ!!」
「ここは女湯だとか
ヤボなコトは言うなよ」
セイが
お風呂の淵に座って
私の肩にお湯を垂らせた。
「早く出て行きなさいよ!
もうすぐ雨に濡れた
女中さん達が
入ってくるんだから…!」
大騒ぎになってしまう。
「いいんじゃないの?
俺達、ここでは姉弟なんだし」
「だったら、なおさら
おかしいでしょうが!!!!」
私はセイの背中を押した。
「…だけど
今のオバサンは
そういうのに
理解があるみたいだけどな」
え。
セイの意味深なセリフに
私は身を固くする。
冬の森、眠らないキミ
当事者の意見編
≪〜完〜≫
この作品をお読みになった
感想をお寄せください。
下記の感想の中から
ひとつ選び
【いいね!】ボタンを押すと
お楽しみスペシャル画像が
ご覧戴けます。
絵柄は予告なく
気まぐれに更新されます。