この島に来てからのセイは

本当に
情緒不安もいいトコでッ。


「オンナノコに
暴力を振るうオトコなんて

世間一般では
サイテー、って
一番非難されるんだからねッ」


「……」

「不満なコトがあるのなら

ちゃんとコトバで
伝えなさいッ」


私はずっと黙っている
セイのアタマを

座布団の上から
バシバシ殴った。


…私の
セイへの愛情表現が
足りないから

セイはこんなにも
不安に
なっているのだろうか。


「…セイ」

「……」


でも

今日のセイは
ちょっと異常すぎる。


「…トーコは
誰の味方なんだよ」

「え?」


「……」


セイは
また黙ってしまった。


…誰の味方、って。


「いつだって
セイの味方に
決まってるじゃない」


ちっちゃい頃から
ケンカしながら

いろんなコトを
学習してきた。


お互いの気持ちを
ぶつけ合っては

理解し合ってきたのだけれど。


最近は
こうしてセイに
気持ちをぶつけられても

アタマでは
理解できても

気持ちでは
納得がいかない

自分がいる。