白いボトルに
詰め替えてあるから
ブランドはわからないけど。


…これレディース用
じゃないのかな。


セイはお風呂場に
自分専用のモノを
置きっ放しにしないから

シャンプーとか
何使ってるのかと

密かに思ってた。


化粧水とかは
たまに使わせて
貰ってたけど。


このシャンプーも
これからは借りちゃおう。


簡単に

リンスと
トリートメントをして

私は
湯船から上半身を出して

髪を洗い流す。


…カラダを洗うのは
今日は諦めるしかないか。


私はシャンプー類を
洗面器の中に片づけると

湯船に浮かべて

セイに向って
それらを押し出した。


セイの肩先に
辿り着いた洗面器に

セイが気づく。


「俺の髪も
ついでに洗ってよ」

って。


振り向きもせず
セイが私に要求する。


「ついでって…」


「シャンプー
貸してやったんだから

それくらいサービスしろ」


「……」

髪を洗うくらいなら
別に構わないけどッ。


私はセイの髪を
湿らせて

シャンプーを手に取った。


やわらかい
子どものような
セイの髪に触れるのは

嫌いじゃない。


むしろ
好きな方かもしれない。


私はセイの後ろから
セイの髪を泡立て始めた。


「…フツー
こういう体勢で
髪を洗って貰うと

胸のふくらみを背中に感じる
モノなんだが」


「!!!!!!」

それが目的だったのかいッ。