…パパのコトだ。
きっと
セイのパパの過去を
問い詰めたりするコトもなく
沈黙を守っていた
親友を
疑いもせず
ひたすら
信じていたに違いなかった。
パパ達の中にある
大切な想い出。
真実を暴き出して
わざわざ汚す必要など
なくて。
「…そうだよねッ。
きっと誤解なんだよね!」
あっはっは、って。
パパに同調するように
私はできるだけ
かる〜い調子で答えてみせる。
「…セイなら大丈夫だから」
『だったらいいけれど』
電話代、気になるから、と
子どもなりに
気を遣ってみたのに。
『あ、ちょっと待って。
ママも
トーコと話したいみたい』
『トーコ!?
ケータイが繋がらないなんて
ホント
とんでもない田舎よねッ』
…ママ、元気そうで
何よりです。
『退屈だから帰りたいって
ダダ
コネるんじゃないかって
ママ、心配だわ』
…私は小学生かッ。
『トーコってば
ゲーム機とか
持っていかなかったし』
…葬式に出席するのに
そんなモノ
持っていくヤツが
どこにいるッ。