油断した私が悪かったッ。
身の危険を感じた私は
カラダを乗り出すようにして
慌てて
シャワーの蛇口をヒネって
セイの仕返しを阻止したッ。
「…なかなかの
反射神経だな」
セイが
シャワーのノズルから垂れる
滴を見つめてる。
「風邪ひかないように
セイのジーンズ
早く乾かさなくっちゃねッ」
あはははは、って
笑ゴマすると。
「俺より自分の身を心配しろ」
って。
「あッ」あ。
あああああああああああッ。
蛇口に向かって
カラダを伸ばしたときに
濡れた床に
背中と腰をついてしまって。
「日本地図みたいだ」
セイが
汚いトングを向けて
私のTシャツのシミを
笑ってるッ。
「黒のカーゴなんて
無粋なモノ穿いてるのが
残念けどッ」
なんて
私のお尻に
ちょっとだけ貼りついていた
黒いカーゴパンツを
セイが摘むようにして
引っ張った。
…私のカラダなんか
見慣れてるクセに。
こういう
チラリズムっぽいのを
悦ぶトコロが
オヤジっぽいぞッ。
「もしかして
ブラは
俺が買ってやった
白のレース?」
セイが
私のブラの線を指でなぞる。
「…買ってやった、じゃなく
プレゼントした、でしょッ」