カトーさんに連れられて
広間に行くと
みんなはもう
食事を始めていて。
「突っ立ってないで
お座りなさいな」
って
能面のような顔の
カノンくんのお母さまが
作り笑顔で
声を掛けてくる。
広間には
お膳が5つ。
カノンくんのお母さまの
向かいにカノンくん。
カノンくんの隣りに
セイがいて。
セイが
自分の隣りの座布団を
とんとん、と叩いて
ここに座れと
合図する。
セイの眉間に
シワが寄ってて
…機嫌、悪ッ。
「トーコ、おまえ
他人様の電話で
長々と話してるんじゃない」
「あら、構わないのよ」
向こうのご両親だって
ご心配でしょうから、って
カノンママが
「ねえ、トーコさん?」
私に同意を求めてくる。
「あ、いえ。
…すみませんでした」
消え入るような声で答えて
私はセイの隣りの席に
つこうとした。
「!!!」
正座した
私のお尻の下に
何か異物がッッ!!!
思わず
声をあげそうになる。