未知の世界編


「あ、こら! 逃げるな」

コタツから這い出そうとした
私の足首を掴んで

セイが私の背中に
覆い被さってきた。


「トーコの髪
俺と同じ匂いがする」

セイの声が
心なしか弾んでて。


「トーコの髪って

固くって
芯が通ってて

強情で…」


トーコの性格
そのものだな、って。


そりゃあ
悪うございましたわねッ。


「濡れてるときは
アザラシみたいな
手触りなのに」


セイが私の髪を
かきあげては

キスをする。


「セイ、重いよッ」

体重だけでなく
力もかけているのか

抵抗する気が
失せそうになるくらい

私はセイに
完璧に抑え込まれていた。


「あッ、こら」

こんなトコロでッ。


セイの手が
私の下腹部に
滑り込んできて

ベルトを探ってくる。


「ダメだってば!」

セイの手を掴んで
阻止しようとして

腰が
わずかに畳から浮いた
その隙間を

これ幸いとばかりに

セイは簡単に
私のベルトを
外してしまっていた。


「みんな戻ってくるからッ」


私は
それ以上
イタズラをされないように

セイの手の自由を
腰の重さで奪うと

今度は
自由な反対の手で

私のトゥラウザーの
ボタンを外しにかかる。


「やめてってばッ」