「ちょっと、セイッ!」
ふたりの間に
割り入ろうとする私を
セイの長い腕が
拒絶する。
「カノンくんのお母さん
呼んでくるからッ」
私はあたふたと
畳の上から
立ち上がった。
「騒ぎになって
困るのはセイ先輩と
トーコさんですよ」
フスマにやった私の手が
思わず止まる。
…この私を脅すと言うのか
マセガキ中坊ッ!!!!
だけど
ここは冷静に。
年上のオンナの
余裕を見せねばッ。
「あのね、カノンくん」
引きつった笑顔で
振り返ると
カノンくんは
しら〜っとした顔で
セイの顔に
自分の顔を近づけて
いっていてッ。
セイッ!
アンタも簡単に
キスを
受け入れてるんじゃないッ!!
「やめなさいってばッ」
私は
セイの肩を掴んで
自分に引き寄せた。
「…お姉さんの嫉妬も
たいがいにしないと
見苦しいですよ」
悔しいいいいいいッ!
「セイは
私の、なんですからね」
って
ノドまで出かかったッ。
「こういうの
絶対に
認めないんだからねッ」
私はセイを
後ろから抱え込む。
「お姉さんは
そろそろ自分の部屋に
帰られたらどうですか?」