カノンくんは
こ〜ゆ〜ときだけ
私のコトを
セイのおね〜さん呼ばわり
してきてッ。
「いつまでも
独身オトコの部屋に
入り浸たってるなんて」
育ちがしれますよ、なんて。
私の怒りの回路を
容赦なく刺激するッ。
「育ちは
セイといっしょだからッ」
もう
ここまで来たら
絶対に負けたくなかった!
私とカノンくんに
カラダを左右に引っ張られて
「痛い、痛い」って
まんざらでもなさそうに
苦笑してるセイに
余計、ムカつくッ。
「もとはと言えば
アンタが
火をつけたんでしょうがッ!」
私は
セイの憎ったらしい
頬っぺたを
あらんばかりの力で
左右に引っ張ってやった。
「何、するんですかッ」
カノンくんが
私を突き飛ばし
セイを自分の胸に
奪還する。
「いったあああいッ」
私はコタツの角に
アタマをしこたま打ちつけて
ナミダが出た。
「セイ先輩に
暴力を振るうなんて
当然の報いですよッ」
だからって
どうしてアンタの暴力が
正当化されるのかッ。
しかもッ。
「俺は大丈夫だから」って
セイってば
カノンくんのアタマを
いい子、いい子してて。
…信じられないッ!