この家の
不気味なくらいの静けさが

風の立てる音で
より強調されているようで。


きし、きし、きし。


耳なんか澄ましては
いけないって

わかっているのに


廊下から聞こえてくる
音まで拾ってしまって


カラダが強張る。


「…カトーさんだって

幽霊なんか
見たコトないって
言ってたしッ」


だけど。


階段の奥で光っていた
線香の赤い光を

思い出して


ますます
眠れなくなってしまったッ。


「…テレビもない。
ラジオもない。

ケータイも
繋がらないなんてッ」


こんな文明から隔離された
島なんか

もう二度とゴメンだ。


私はケータイの音量を
わざとおおきくして

ケータイに内蔵されている
ゲームを始める。


ピコ、ピコ、ピコ。

陽気な電子音が
何だかココロに

あったかい。


「へへへッ」


布団の中

夢中になってゲームを
やっていると


不平、不満も
いつのまにか消えていて。


「おッ、よッ、はッ」


私はその警戒心まで
無くそうとしていた。


ガタ、ガタ、ガタッ。

ガタ、ガタ、ガタタッ。


カギが
かかっていたハズの
私の部屋。


ギイイイイイ。


侵入者の気配にも
気づくコトなく


私は
ゲームに夢中になっている。





冬の森、眠らないキミ

未知の世界編

≪〜完〜≫


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