「…この高さから
落ちたんじゃ
骨折で済んだのが
奇跡だよな」
…確かに
セイの言う通りで。
転げ落ちたとしたら
正面の石の壁に
カラダを激しく
打ちつけてしまっていたに
違いなかった。
…あれ?
「何だろう、これ」
私は
ちいさなごみ箱らしき
カゴの中に
不審な残骸を
見つけてしまう。
「黒魔術とかの
儀式の名残りみたいだな」
って
セイのひと言に
私は思わず
手を引っ込めた。
「くろッ、くろッ!?」
黒魔術の儀式ってええええ!?
「呪いたい程
嫌われていたなんてね」
セイが
私とセイの写真を
ゴミ箱から拾い上げる。
「!!!!!!」
ときは丑三つ時。
あまりにもリアルに
オカルトすぎてッ。
「私達、あのふたりに
呪い殺されちゃうのッ!?」
こんな島に
来るんじゃなかった!
「…呪いの儀式を
していたのは
あのふたりではないと
思うけど」
何を根拠に
言い切っているんだかッ!!
「ろうそくも
まだそうとう残ったままで。
おそらく
儀式も途中で終わってる」
「じゃ、私達
死なないのねッ!!」
私の感嘆に
セイが苦笑する。