「あのふたりが
この儀式の為の
魔法陣を見つけて
処分して帰ったってトコ
なんじゃないかな」
「じゃ、誰がこんなコト!!」
「カノン、だろ」
え。
「ほら、この写真」
水族館の帰りに
駅で化粧を直していたときに
撮られてる、って。
セイが写真を灯りに
かざしてみせる。
「まさか…」
だって
「この写真には
私だけじゃなく
セイも写っちゃってるよ!?」
「…アイツが殺したい程
憎んでいるのは
俺なんだよね?
カトーさん?」
えッ。
セイの視線の方向に
目をやると
そこには
ここを後にしたハズの
カトーさんが
立っていて。
「…それを
処分しようと思って
戻ってきたんだけど」
ひと足遅かったな、って
カトーさんが
苦笑いした。
「見つけたときに
すぐ持ち帰れば
よかったんですが…」
カトーさんが
持ってきたビニール袋の中に
儀式の残骸を
無造作に処分する。
「お嬢さまが
外に持ち出すのを
気持ち悪がったモノでね」
取りあえず
ろうそくの灯を消して
魔法陣を壊したのだという。
「…カトーさんは
そういうの
詳しいんですか?」
黒魔術の儀式なんか
途中で止めたりして
恐くなかったんだろうか。