「……」
「……」
何じゃそりゃ。
「アホらし〜…」
早く帰って
寝よ、寝よ、って
セイが
私の背中を押しながら
暗い通路を
小走りに進んでいく。
「子宝祈願の部屋で
SEXしたら
子ども、できちゃうかな〜」
なんて
セイってば
楽しそうに
階段を1段飛ばしで
駆け上がっていった。
「…子どもなんて
作って帰ったら
パパ達
失神しちゃうからッ」
「……」
「ねえッ!
セイッ、聞いてるの!?」
部屋に続いていたハズの
階段の天辺で
セイが立ち止っている。
「あ、やだッ。
何、閉めたりしてるのよッ」
開かなくなったら
どうするのよ、って
私はセイの背後から
近づいた。
「…トーコが閉めて
階段を降りてきたんじゃ
ないのか?」
「え?」
「……」
セイが
私を押しのけて
階段をあっという間に
掛け降りて
元来た通路を
戻っていく…。
「えッ、やだッ。
ひとりにしないでよ!!!」