私は階段を
身を乗り出すようにして
セイのジーンズの裾を
を引っ張っると
「カノンってさ
声とか骨格とか
カトーさん。
アンタに凄く似てるよね」
なんて
とんでもないコトを
言い出してッ。
「お兄さまと
あのオンナの間に
子どもができたって
悔しいいいいいッ。
なら、私もッ」
セイがオカマ声で
カノンママの
モノマネをする。
据え膳食わぬは
オトコの恥。
「お慕い申し上げている
お嬢さまのたっての願い。
オトコなら
叶えてしまうよな〜」
セイが
バッコン、バッコン
エッチなジェスチャーと
腰使いで
カトーさんを挑発しててッ。
見てるこっちが
赤面してしまうッ!!!
憶測だけで
よくもまあッ。
「セイッ、いい加減にッ」
「おまえは黙ってろッ!!!」
「…うッ」
セイを怒鳴るつもりが
セイに怒鳴られてしまった。
遊び半分。
退屈しのぎに
「結婚してやれよ」
なんて。
セイってば
お節介なコトを口走ってて。
…だけど
穴があったら入りたいって
思ったのも
一瞬で。
「結婚して
カノンを自分の息子として
認めてやれよ」
セイのその目は
真剣そのもので。
カトーさんは
そんなセイに反論も出来ず
目すら合わせられずにいる。