「おまえ、そっちの剥がして」
って。
「…セイくんは
何、罰当たりなコト
してるのかな〜?」
セイの
とんでもない行為に
顔が引きつった。
「家内安全の御札なんぞで
罰なんか当たるかよ」
壁から次々と
御札を剥がしているでは
ないかああああああッ。
…セイみたいなヤツは
一回、罰に当たってみれば
いいんだッッッ。
「家に持って帰って
コレクションでもするのッ?
それとも
ライターで燃やして
遊ぶとかッ!?」
「…おまえ。
俺の精神構造
疑ってるだろ?」
セイが横目で
私を冷やかに見つめてるッ。
「何の騒ぎですか?」
カトーさんが
心配そうに様子を覗き込んでいる。
「あの扉、燃やして
脱出しようかと思って」
「えッ!!!!」
セイのセリフに
思わずカトーさんと
ハモってしまうッ。
「ダメですよ!
あの扉は
とっても貴重な
ケヤキの1枚板でッ!!!」
今ではいくらお金を出しても
手に入らないお宝だと
カトーさんが真っ青になった。
「アンタ
ヘビースモーカーでしょ?
1本も吸わずに
ここんなトコロで
朝まで持つの?」
こんな寒いトコロで寝たら
一発で凍死ですが、って
セイってば
アンタの為にやるんだって
言わんばかりでッ。
「私なら
大丈夫ですから…!」
殊勝なカトーさんを
「我慢には
慣らされてますから、てか?」
セイが小バカにするように
鼻で笑った。