…セイの視線が
痛いほど
私に降り注がれていて。


「…見た?」よね。

「見た」


セイの低い声がコワイよおッ。


「…水槽の用意をしなきゃな」


セイが
冗談とも本気ともつかない
セリフを口にしてッ。


「水死させるなんて
趣味悪いからッ」


「……」

冗談を本気にしたな、と

冷やかなセイの視線が
飛んでくるッ。


「セイ、お風呂どうぞ〜♪」


ママの脳天気な声が

オカルトな空気を
切り裂いた。


「ママッ!

この子
どうしてココにいるのッ」

私はママを
セイの部屋に引き入れるッ。


「この部屋が楽しいって

この子が
気に入ったモノだから…」


「そうじゃなくって!」


こういうときの
ママの天然ぶりは

さすがに笑い飛ばせない。


「どうして我が家に

こんなかわいいお客さんが
来てるのかな、って思ってさ」


セイが優等生な顔で
ママに質問し直して。


…その冷静な口調が
かえって
恐いんですけれどおおおお。


かわいいだなんて

セイってば
よくそんな白々しいコト
言えるよねッ。